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Grok 4.5の新たなEU開示が訓練データの記録に加えるもの

xAIはGrok 4.5を対象とする初のEU向け訓練内容概要を公開した。テキスト、画像、音声、動画はいずれも最大のデータ規模区分に入り、欧州委員会の様式にある六つの訓練データ源をすべて使用したと回答している。
これにより、Grok 4.5を私のAI訓練データ透明性データセットに収録済みの概要と比較できるようになった。同時に、この様式自体の検証にもなる。データ源の質問は提供者間の違いを示す一方、規模区分は大きく異なるモデルを同じ箱に入れてしまう。
要点:EU AI法第53条1項d号は、汎用AIモデル提供者に対し、AIオフィスの標準様式で訓練内容の概要を公表するよう求める。比較に使った11件では、テキストが10兆トークン超のモデルが6件、10億〜10兆が5件で、最小区分は0件だった。最上位区分には上限がないため、Grok 4.5、GPT-5.5、Gemini 3 Pro、30億パラメータのオープンモデルが同じ分類になる。xAIが用いたとする情報源の種類は分かるが、同区分の他モデルと比べたGrokのコーパス規模は分からない。
広い規模区分は比較を制限する
| テキスト訓練データの規模 | モデル数 |
|---|---|
| 10兆トークン超、上限なし | 6 |
| 10億〜10兆トークン | 5 |
| 10億トークン未満 | 0 |
最上位にはGemini 3 Pro、GPT-5.5、Grok 4.5、Muse Sparkのほか、Swiss AIのApertus-70BとHugging FaceのSmolLM3-3Bも入る。中間区分も4桁の幅がある。Microsoft Phi-4、SpeakLeash Bielik、Briaが該当し、Briaだけが「最大192億トークン」「4億7,900万画像」という精密な数字を併記した。Gemini、GPT、Grok、Museはいずれも全モダリティで最大区分を選び、概要だけで規模を順位付けすることはできない。
データ源の分類は違いをよりよく示す
| 提供者・モデル | 公開 | ライセンス | 第三者非公開 | クロール | 利用者 | 合成 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Meta/Muse Spark | はい | はい | はい | はい | はい | はい |
| OpenAI/GPT-5.5 | はい | はい | はい | はい | はい | はい |
| xAI/Grok 4.5 | はい | はい | はい | はい | はい | はい |
| SpeakLeash/Bielik v3 11B | はい | はい | いいえ | はい | いいえ | はい |
| Hugging Face/SmolLM3-3B | はい | いいえ | いいえ | いいえ | いいえ | はい |
| Swiss AI/Apertus-70B | はい | いいえ | いいえ | いいえ | いいえ | いいえ |
| Bria/Bria 3.2 | いいえ | はい | いいえ | いいえ | いいえ | いいえ |
Meta、OpenAI、xAIは全項目に「はい」と回答した。対してApertusは公開データセットだけを挙げ、自社クローラーは運用していないとする。Bria 3.2は商用ライセンス画像だけで訓練したという。Googleは六問中三問にしか答えていないため、空欄は「いいえ」ではなく「記載なし」である。Microsoftは二択欄の一部を文章で回答しており、様式があっても記入方法は完全には統一されていない。
xAIは汎用AI行動規範に署名せず、オプトアウト信号を直接尊重すると述べる。このデータセットで、規範に署名せず標準様式を公開した最初の提供者だ。署名と概要公表は別の行為で、期限も異なるため、一方を他方の代用指標にはできない。
再調査で六つの概要を追加発見
Grok 4.5追加後の提供者別調査で、11件の集計にまだ含まれない信頼できる公開概要を六つ見つけた。Adobe Firefly Image Model 5、Domyn Large、FastwebMIIA、Thinking Machines Inkling、Microsoft MAI-Image-2、Meta Muse Imageである。チェック欄、モダリティ定義、公開形式を検証・正規化してから取り込むため、上の集計には混ぜていない。
Moonshot AIの公式サイト、API文書、公式モデルページでは、Kimi K2.5の第53条標準概要を確認できなかった。技術報告は画像とテキストを合わせ約15兆トークンとするが、EU標準開示ではない。義務の適用はMoonshotがモデルをEU市場に投入したかにも左右されるため、不在だけで違反とはいえない。
これまでの反応
Grok 4.5の提出そのものに対する欧州委員会、AIオフィス、特定の独立専門家の公開反応は見つからなかった。これは承認とも批判とも解釈すべきではない。
制度全体について、委員会は様式を企業秘密を守りつつ透明性を高める「共通の最低基準」と位置づける。一方、38のクリエイター・権利者団体は、権利行使に十分な情報がないと不満を表明し、欧州議会も透明性、報酬、保護作品の利用を拒否する手段の強化を求めた。これらはGrok個別ではなく枠組み全体への見解である。
留意点:数値はすべて自己申告で未監査である。11件は市場調査ではなく時点スナップショットで、うち3件はMicrosoft Phiの派生モデルだ。データ期限は2024年3月〜2026年6月。2025年8月2日以前にEU市場へ投入されたモデルの公表期限は2027年8月2日であり、概要がないことは必ずしも違反を意味しない。
データ:Transparency Report APIのai_training_metrics。9提供者11モデルの初期スナップショット。提出時期は2025年6月〜2026年7月。追加調査は2026年7月23日。